冷凍人間の進化論

「鴫宮ディーノの憂鬱 第弐拾弐話」
戊子 六白大安 晴時々曇一時雨
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07:30、目覚めるも起き上がれず。
09:50、ようやく起床。
10:30、出発お新香。
11:20、相模国府到着。
12:30、梅の廊下で正六位上大外記高原様と偶然会ったので挨拶。
12:40、正五位下相模左近新権少将、長門美咲様に弐拾五度目の拝謁。
「10月になると、様々のコト思い出します。あれから8〜9年、当時の仲間は
みな生まれ変わって別人になったように思う。自分の変わらなさに呆れ果てる」
と申せば、新権少将曰く、「和泉守殿は『自分は変わっていない』と言われたが、
十分変わっているように思う。昨年の夏に無意識にばら蒔いた種のひとつが
今年の2月に芽を出して、その方の行事の時にいつも側に居る”ナゾの民間人”
という立ち位置を早くから確立し、別の人がその方と『カラオケに行った』とか
日記に書けば、即座に『ボクの○○さん取っちゃヤダー』とコメントを重ね、
ついには某ファミリーの準構成員に納まった。今またファミリーへのさらなる
忠誠の証として、ステージに立つ計画があるとも聞いている。そう、貴方は
この半年で新人脈で周りを固め、旧来の譜代衆を外様に追いやった。追いやら
れた側は、貴方が昔の仲間に抱いている感情と同じモノを感じているであろう」、
と。
「左近少将様がそのように評価してくださるコトはある意味光栄ですが、若干
補足しますと、今年現れた現象、それは以前一本釣りして税調会長に就けた者
のあまりの礼儀の酷さ、立替金の受領約束日に『今カネない』と言い放った
直後に『やっぱ払う』と万札投げて寄越すような態度の酷さと対比して、
その方の折り目正しさに感動したという理由から始まったモノなのです。
また”ウイルスですら進化するのに人間が進化しなくてどうすんだ”という
堅い信念が私にはあるのです。多少の摩擦はやむを得ますまい」と返答す。