傷つけたくて傷つけない進むためだから

乙巳 一白先負 晴

(伝聞)
六位の和泉守杉野、師走壬寅、突如遠国の譜代のマイミク1名に
絶縁(今流行の言葉で”友愛”)の処置。
翌日、作法に則り、義理回状を回そうとするも、相談役筋の高原大外記には、
「Christmas Eveにそのような文書を出すのは、ちょっと…」と逃げられ、
上役筋の五位左近少将長門殿には「昨年7月26日の際は貴方の『XXXXに対する
侮辱は今は亡き元カノLさんへの侮辱であり杉野に対する挑戦』という大義名分
を黙認したまでであり、今回の件には関知しない」と告げられ断念した模様。
一部には、今年1月の平安S、4月の大阪杯、8月の北九州記念の高配当GETは、
いずれも意味不明なネットバトルの直後であったので、有馬記念の高配当GETを
目的とした自作自演では?と疑われるも、今回は一方的な切り捨てであり、
バトルには発展していないので、真相は不明。
ただ、周辺住民は、様々な憶測を次のように語っていた。
「あの温厚な和泉守殿をキレさせたのじゃから、人間として許せない何かがあっ
たんじゃろう」
「でも、普段温厚とはいえ、やたら礼儀にだけは喧しい吉良上野介のような偏屈
老人ですからねぇ……」
「このような非情の処置は、顔を知らない相手であればこそ。顔を知ってる相手
であれば… そう、この夏以降微妙な関係になったお方があったそうだが、
この騒動の渦中、絶妙のタイミングでかつさりげなく行なわれた親交復活の
申し出を、電光石火の早業で受け入れて手打ちして、なおかつ来年の賀状交換の
約束まで交わしたらしいんです」
「どっちにしてもアノ人は後になれば、『わたしの中の岩倉具視がさせたこと』
とワケの分からない得手勝手な開き直りをするんでしょ」